ジャズギターが上手くなる一番良い方法


今回は物事を習得するための手法の1つである「セルフコーチング」についての話をしたいと思います。




私の所属する部署では毎週2回、部全員が参加する朝礼があります。
毎回、部長が10分くらいスピーチをします。(マイルドに言うとお話し好きな方)


ほとんどは退屈な話ですが、たまーにいい話をします(笑)
半年くらい前にこんなことを言っていました。



「スキルが上達するのに一番良い学習方法はなんだと思う?」


と言う質問で始まり、数名の社員を名指しして答えを聞いていました。



A部長 : B課長どう思う?

B課長 : うーん。わかりません。
(B課長はいつもこうやって質問をかわしています笑)

A部長 : じゃあCさんどう思う?

Cさん : 「講師に教わる」じゃないでしょうか?

A部長 : まあ、それも間違いじゃないけど他にあるかー? Dさんどう?

Dさん : 参考書を買って読むですかね?


とこんな感じでやりとりが続き、最後にA部長が答えを言いました。


(幸い私には当てられませんでした)


A部長 : まあ、一番は「セルフコーチング」だな!



私はその言葉を聞いてピンと来ました!


「僕のギター先生も同じようなことを言ってたな」


そうです。
数年前、ピッキング、フィンガリングなどフィジカル的なレッスンを受けたときに

「上手くなるにはセルフコーチングが大事だ。練習するときは心の中で自分自身にコーチングしながら練習するといいよ。」


とこんなことを言っていました。


そのときはあまり心に響かず実践することはなかったのですが、改めて今考えてみると、とても大事なことだと気がつきました。


また、私のギター先生は2−30代の頃は毎日基礎練を2時間休憩なしでやっていたと言っていました。2時間基礎練をやるのも凄いですが、2時間分の実用的な練習内容を考案することがプロだなと思います。


この2時間分の基礎練習メニューを考案するのにも過去の経験、失敗を改善するために「セルフコーチング」をした結果なのだと思います。


先生はボストンの某音大を卒業された方で、ライブなどで共演される方も相当の腕前の方々です。


ライブ&セッションなどの後に少し話をする機会がありますが、この方々全てに共有することが2つあります。


1つは「いい師」に出会っていること


2つ目は「セルフコーチング」を徹底していること


です。


日々の基礎練習などは、自分の長所を伸ばす、短所を改善する、演奏家としてのフィジカル的な要素を維持し続けるようなメニューを「自分自身で考案」し、ストイックに取り組んでいる方が多いように見受けられます。


私は幸運にも1つ目の「いい師」には出会っているので、2つ目の「セルフコーチング」に挑戦しようと思い、今回このテーマで記事を書くこととしました。


経緯が長くなってしまいましたが、「セルフコーチング」について調べてみましたので、その説明から始めていきたいと思います。


セルフコーチングとは?
セルフコーチングとはその名の通り自分自身をコーチングすることです。

ではコーチングとはなんでしょうか?
言葉の由来から紹介させていただきます。
コーチングの「コーチ 」という言葉が最初に登場したのは16世紀頃、ヨーロッパではルネサンスが起き、日本は戦国時代の頃です。


「コーチ」とはハンガリーの「Kocs(コチ)」という町で作られた馬車「Kocsi」から来ています。


ニューヨーク創業の高級革製品ブランド「Coach」のロゴにも「馬車」が描かれていますね。


そしてこの「Coach」というブランド名は「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」馬車「Kocsi」から名付けられたと言われています。


そこから派生してコーチングは、「人の目標達成を支援する」という意味で使われるようになりました。


つまり、コーチングとは


対象者が持っているものを引き出して理想に近づけたり、
対象者が自発的に行動することを促進するためのものです。


対象者に何か(知識など)を与えるものではありません。


コーチは相手に

  • 新しい気づきをもたらす
  • 視点を増やす
  • 考え方や行動の選択肢を増やす
  • 目標達成に必要な行動を促進する


このようなことを促すよう指導すると言えばよいでしょうか。



セルフコーチングはどうやればいいか?
色々な手法があるようですが、ギターの上達に向いそう/自分に合っている手法について紹介したいと思います。


さらに詳しく知りたい方は「セルフコーチング」関連書籍を読まれてもいいと思います。


まずはじめに大きく分けて3つの要素の設定から始めるといいでしょう。


  • 「目標設定」
  • 「行動計画」
  • 「得られる効果」


1つ目は「目標設定」です。


練習をするにあたり、何ができるようになりたいか、習得したいかを決定します。


「憧れのギタリストのように演奏できるようになりたい」と言った抽象的なもので目標設定してもいいですが、その場合は次の「行動計画」で具体的な練習メニューを検討しやすいよう、そのミュージシャンのいい所をより具体的に上げて行ったり、掘り下げてみるといいと思います。


ここが1番重要な項目です。これは退屈な基礎練習に目的意識を持たせ、より効率的に練習したり、モチベーションの維持にもつながります。


是非ここはじっくりご検討されるといいでしょう。




2つ目は「行動計画」です。


目標達成に向けた具体的な行動を決定します。これは、○○教則本を全てやり遂げるでもいいですし、自分で練習メニューを考案してもいいでしょう。




3つ目は「得られる効果」です。


具体的行動を実施したことにより、設定した目標が達成できるか検証します。


達成できる見込みがない場合、2つ目の「行動計画」を見直すと良いと思います。




これを考えるだけでもかなりのエネルギーが必要となるので、初めから挫折しないよう
自分のペースでゆっくり取り組んでみるといいと思います。



私もこのように自分自身を見直す機会は半年に一回とかそれ以下の頻度ですね笑



「目標設定」 「行動計画」 「得られる効果」


の3つの要素の設定やより詳細な行動計画の検討については、以前会社で受けた研修でギター上達に応用できる、とても良い手法があって、もっと具体的なことが書けると思いますので、是非また別の機会に紹介したいと思います!



少しお時間をいただくことになりそうですが...



セルフコーチングがもたらす効果
今回紹介したセルフコーチングを行うと次のような効果が得られると思います!

  • 「今まで意識していなかったことに気がつく」
  • 「固定概念からの脱却」
  • 「新しい発想で演奏できる」


前回書いた

「ルートを小指で弾くスケールポジションの運指を鍛える」

もそうですが、私はセルフコーチングをすることによって、新たな気づきが生まれました。

また、すでに習得しているフレーズを自分なりに変化させたり応用したり、色々なアイディアが思い浮かぶようになりました。




最後に
ちょっと今回はお堅い&抽象的な内容になってしまいましたが...



この記事の続編として 、より具体的に「目標」や「練習メニュー考案」方法について自分の実例も踏まえながら記事を書きたいと思います!



もちろん皆さんもすぐに実践できる内容ですので、楽しみにしていただければと思います。


また次回もよろしくお願いいたします。