ジャズギターでソルフェージュ①



今回は音感や譜読みを鍛えるためのジャズソルフェージュについて記事を書いていこうと思います。




ギタリストが一番怖いものは楽譜読みでは思ってしまうほど、苦手な方多いですよね?笑


──「読めるようになりたいけどなかなか手が出ない」

──「後回しでいいや」


なんて方は多いのではないでしょうか?


ソルフェージュはそんな方にはぴったりの内容だと思います!


恥ずかしながら私も譜読みは得意ではないですが、これを克服するためにも音感や譜読みが鍛えられるソルフェージュについて記事を書くことを決意しました!


ソルフェージュをやると譜読みはもちろん、音感も鍛えられるので心で歌っている
メロディと楽器の音が一致して、より歌心のある演奏ができるようになります。



また譜面が読めると


・バンド演奏

・セッション

・ギター以外の譜面を読む


など様々な場面で役に立ちます。


特に黒本やリアルブックに載っているジャズスタンダード曲が初見で
演奏ができるとセッションでやったことのない曲の演奏ができたり、
ピアノやサックスなどギター以外の奏者の譜面から学ぶこともできますし、
上達スピードが上がるのではないでしょうか。


またソルフェージュだけだと退屈だと思うので、


・色々なインターバル(音程)の演奏

・スケール練習

・運指練習


など日々のギター演奏にも使えるエクササイズも紹介していきたいと思います。



内容は次の3つの章になります。


・ジャズソルフェージュについて

・ジャズスタンダードのメロディを歌ってみる

・ジャズギター演奏にも役に立つエクササイズ


この記事では


「ジャズソルフェージュについて」

「ジャズスタンダードのメロディを歌ってみる」


について書いていき、


「ジャズギター演奏にも役に立つエクササイズ」


は次回の記事で書いていきたいと思います。



ジャズソルフェージュについて


ソルフェージュは楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことを言います。


皆さん馴染みのある表現をすると、音階を「ドレミ」で発音することです!


Cメジャースケールの音階を発音すると
「ドレミファソラシ」
と学校で習ったかと思います。

実はこれはイタリア語なのです。


ローマ字表記するとこうなります。

「Do Re Mi Fa Sol La Si」



ジャズはアメリカの音楽であるので、一般的にジャズのソルフェージュは英語で表記します。


英語でローマ字表記するとこうなります。


「Do Re Mi Fa Sol La Ti」 (ドレミファソラティ)

■ドレミの音階



今までシ(実音のB)と読んでいたものはティと呼ぶところが、
イタリア語との違いになります。


「本当か!?」と思う方は映画「サウンドオブミュージック」を観てください笑
「ドーはドーナツのド〜」で始まるドレミの歌で
「ティーは紅茶(tea)のティ」と歌っています笑



またジャズ含め、現代の音楽は#シャープやbフラットの臨時記号のつくメロディが数多くあります。


ジャズソルフェージュではこの臨時記号の階名も表現できます。

#の場合は子音が「i」
bの場合は子音が「e」

に変化します。

例えば
Doの#はDi
MiのbはMe
と行った感じです。

1つ例外があって
Reはもともと子音がeなのでbのときはRaになります。


12音全ての階名を表記したのが下の図です。

■上昇


「Do Di Re Ri Mi Fa Fi Sol Si La Li Ti」
(ド ディ レ リ ミ ファ フィ ソ シ ラ リ ティ)


■下降


「Do Ti Te La Le Sol Se Fa Mi Me Re Ra」
(ド ティ テ ラ レ ソ セ ファ ミ メ レ ラ)

となります。


ジャズソルフェージュではこの階名を使ってメロディを歌います。

どうでしょうか?
やはり日本人としてはRとLの発音(Re Ra Le La)が難しいですね。


私も区別が付きませんが、自分の中で分けられていればいいと思います。



ここまでで、実音Cを基準としたメジャースケールの階名と
#,bを含む12音の階名の読み方を説明しました。


ここで
「C以外のキーのときはどうするのか?」
という疑問が出てくると思います。


ジャズソルフェージュでは一般的に「移動ド」というシステムを使います。


「移動ド」とはその曲のキーの主音によって「ド」の音が変化します。
例としてキーFとBbの場合を下の譜面に記載しました。


■Key=F   Key=Bbの場合



Key=Fの場合は
実音Fの音が「ド」となり


Key=Bbの場合は
実音Bbの音が「ド」となります


初めはとっつきにくいと思いますがジャズ含めポピュラーミュージックを演奏する上では
かなりメリットがある譜読みのシステムだと思います。


また、ある程度ポピュラーミュージックの理論がわかっている方の場合、
移動ドでメロディーを歌うとそれだけで瞬時に曲メロディの仕組みがわかると思います。


■度数表記と階名



上の譜面のように階名でメロディを歌えると主音である「ド」を基準とした度数がわかります。
これができるようになると、覚えたメロディを即興演奏に応用することが容易になります。


個人的には定番エンディングのフレーズをソルフェージュで覚えておくと、
とっさのときにも迷わず出るようになるのでいいと思いました。


是非、移動ドで譜読みができるようになることをオススメいたします!


実際、習っているギター先生や他のミュージシャンの方にも
「ジャズギタリストなら移動ドで譜面が読めるべき」
と言われましたね。


確かにギターなど弦楽器はポジション移動すればキーチェンジが容易なので
移動ドで譜面を読のが最適かもしれませんね。


初めから12キー全てで読めるように訓練するのは難しく、
挫折する可能性が高いと思われるので、
ジャズスタンダードで扱われることの多いキーである、
C,F,Bb,Eb辺りから挑戦していくのがいいと思います!


例えば、
・All of ME (Key=C)
・Days of Wine and Roses (Key=F)
・Autumn Leaves (Key=Bb)※
・But Not For Me (Key=Eb)


などでギターを持ちながら挑戦してみてはいかがでしょうか?


※Autumn Leavesは初めはBbメジャーキーとしてBbを「Do」、Gを「La」として読み、
慣れてきたらGmキーとしてGを「Do」、Bbを「Me」として読んでみるのがいいと思います。 


ジャズスタンダードのメロディを歌ってみる

では実際にジャズスタンダード曲をソルフェージュで歌ってみましょう!
ブログに記載するのはパブリックドメインになっている曲から紹介していきます。


※今回紹介できなかった曲は黒本やリアルブックに載っているので挑戦してみてください。


1曲目は「But Not For Me」ですキーがEbなので実音Ebを「ド」として読んでいきます。


■But Not For Me (Key=Eb)



一部臨時記号が付いている部分がありますね。
9小節目の「Si」と11小節目の「Fi」があります。


初めは楽譜に階名を書いてそれを読みながらギターと一緒に弾いてみるのがいいと思います。
慣れてきたら、階名を書かずに読んで訓練していくのがいいです。



ここでもう一つ疑問が出てきました。

それは

──「曲中で転調したときはどうすればいいのか?」

です。


転調したとき、元の曲のキーの階名でメロディを読めばいいのか、
それとも転調先のキーで読むべきかという疑問です。


これは後者で転調先のキーで読むべきだと思います。
ちょうど、パブリックドメイン曲でドラスティックに転調している曲がありました。


「All The Things You Are」です。


この曲はAbキーで始まり、C → Eb → G →Ab と転調していきます。     


参考として、それぞれのセクションのキーと階名を振ってみました。


■All The Things You Are (Key=Ab)




頑張って書いてみましたがこれは辛かったです笑


譜面自体がAbキー前提とした表記になっているので転調時の臨時記号がある音はなんなのかよくわかなくなってしまいますね。。。


ただ、こうしてアナライズしてみると今何のキーになっているのか、より意識できるのではないかと思いました。


慣れるまでは相当時間がかかるかもしれませんが、ジャズを演奏する上では大事なことだと思うので、私も根気強くトライし続けようと思います!


次回は

さて、如何でしたでしょうか?

今回は

・#,bを含む12音の階名の読み方

・移動ドでの譜面の読み方

・スタンダード曲をソルフェージュで歌ってみる

について書かせていただきました。


次回は、「ジャズギターでソルフェージュ」の第2弾ということで、
音感を鍛えるため様々な音階をソルフェージュで歌ってみる&ギターで弾く
エクササイズについて書いていこうと思います。


このエクササイズはのちにソルフェージュで音感を鍛えることはもちろん

・あらゆる音階が弾ける運指練習

・スケール練習

にもなります。


また、「モチーフの展開」に繋がるものになりそうなので、次回も是非ご覧ください。


よろしくお願いします!



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