3音ボイシングについて考察してみました


4和音コード + テンションを全て弾くのはギターでは難しい

以前からコードを弾く時に5、6弦でルート音を弾くボイシングは指板の物理的制約によって 弾きたいコードトーン + テンションの組み合わせが限られてしまったり、瞬時に抑えられないようなコードフォームでしか実現できず悩んでおりました。

 数ヶ月前に閃いたのですが、 それなら 

「5、6弦でルート音を弾くのを辞めてみよう!」 
「楽に押弦できるコードフォームにするために3音ボイシングを基本としてみよう」 

と思い、それから考察してみたことを書きたいと思います。

 
ルート音を弾くのを辞める(諦める)
今回説明したいボイシングは

・6弦にルート音以外の3度、5度、7度いづれかのコードトーンを配置したコード かつ、
・楽に押弦できるよう3音ボイシングを軸とするコードからの発展のアイディアになります。

主に6 - 3弦と低音弦を中心としたコードになるため、
高音弦でメロディを弾いた時に邪魔にならないし バンド演奏(特にピアノレス)
でも広い音域を使った演奏ができるようになると思います。 


■基本フォーム
基本フォームは6弦にコードトーンを配置した際に押弦しやすいドロップ3コードボイシングを軸としたものになります。

 ドロップ3コードボイシングは以下ような4和音のコードフォームとなりますが、そこから1音省略したコードフォームを軸とします。

 例:Gm7 ドロップ3コードボイシング
     (黄色でマークされている音は省略する音)




 
3音ボイシング基本フォーム
それでは3音ボイシング基本フォームをG△7、Gm7、G7、Gm7(b5)毎に記載します。

■G△7




■Gm7




■G7




■Gm7(b5)


いかがでしょうか?
ドロップ3コードボイシングの1音省略コードを一通り弾いてみると
どの転回系も比較的楽に押弦できるのではないでしょうか?

楽に押弦できるということは素早く弾くことができるので、
単音フレーズの合間に入れることもできるし、
指が1本余るので、余った指でテンション音を弾くことも可能です。

また、3音のうち1音を変化させてテンション音を加えるなど、
この3音ボイシングを軸として様々な応用が可能となります。

次の章では3音ボイシングの応用例を紹介していきます。


3音ボイシングの応用
■G△7
G△7の応用例を記載します。 

ルートボトムのコードだとM3→M9に変化させたり、13、#11を付加することができます。





3、5度ボトムだとルートを弾かない分テンション音を取り入れた選択肢が広がります。


  ■Gm7


4つ目は例外的なものですが、R、P5、M9を5度づつ重ねて弾くことができます。




■G7


7thコードはコードトーンを1音変化させることで、

ディミニッシュコード化
オーギュメントコード化


させることができます。





実戦への応用
■ジャズスタンダード曲のテーマの合間に3音コードボイシングを入れる



上記譜例はメロディに続けて3音ボイシングコードを弾いています。
    
7度ボトムのCm7 
3度ボトムのF7
7度ボトムのBbM7 
5度ボトムのEbM7

を弾いています。
 いつも弾いているルートボトムのコードと雰囲気が違うのがわかると思います。
 
慣れるまでは一人で弾いていると違和感がありますが、ベーシストがいる状況ですと、よりハーモニーが豊になると思います。


いかがでしょうか? 私は楽に押弦できて、応用しやすい3音コードボイシングがとても気に入っています! 5弦ルートでの応用や、ドロップ2ボイシングでの応用など色々と研究しがいのあるアイディアだと思いますので、是非研究してみてください。














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