ジャズギターから一度離れた理由と、また戻ってきた話
しばらくジャズギターから離れていました。
ジャズギターから一度離れた理由
一番大きなきっかけは、コロナ禍で演奏する機会がほとんど無くなってしまったことです。 人前で弾く機会がなくなると、自然とギターに触れる時間も減っていきました。
加えて、そのタイミングで転職をし、仕事が忙しくなったことも重なり、 生活の中でギターの優先順位は少しずつ下がっていきました。 ただ、今振り返ると、それだけが理由ではなかったと思っています。
もう一つは、自分の演奏に対するマンネリでした。
それなりにフレーズは弾けるし、II-V-Iも形にはなる。 それでもどこかで、毎回同じようなラインをなぞっている感覚があり、 「自分はこれ以上何をすればいいのか」と分からなくなってしまいました。
スケールをなぞる練習も、コード進行に当てはめる作業も、一通りやってきたつもりでした。 それでも、演奏が良くなっている実感が持てない。
気づけば、ギターを弾くこと自体が少しずつ“作業”のように感じられるようになっていました。
そこから、気づけばギターを手に取って練習すること自体が億劫に感じられるようになっていました。
いわゆる“練習”らしい練習は、ほとんどしていなかったと思います。
ただ、不思議なことに、ジャズ自体を聴くことはやめませんでした。
移動中や家で流す音楽は相変わらずジャズが中心で、 完全に離れたというよりは、演奏だけを一度手放していた感覚に近いと思います。
また戻ってきた話
再びギターを手に取るきっかけになったのは、友人のジャズライブを聴きに行ったことでした。
生で鳴っている音を聴いたとき、 「やっぱりこの音が好きだな」と素直に思えたのを覚えています。
そのときに感じたのは、技術的な凄さ以上に、 フレーズの“間”や音の置き方、その場で生まれている空気感でした。
それをきっかけに、久しぶりにジャズを“弾き手として”聴いたとき、印象が少し変わりました。
例えば、Jim Hall のようなプレイ。
以前は「シンプルだな」と感じていたフレーズが、 今はむしろ「これだけで成立しているのはなぜなんだろう」と思うようになりました。
音数は少ないのに、ちゃんと音楽になっている。 余計な音がない分、1音1音に意味があるように聴こえる。
そこから少しずつ、またギターを手に取るようになりました。
ただ、以前と違うのは「上手く弾こう」と思っていないことです。
スケールを網羅することよりも、コードトーンをどう歌わせるか。 速く弾くことよりも、どこで“間”を作るか、モチーフをどう使ってフレーズを組み立てていくか。
そういう部分に、今は強く興味があります。
一度離れてみて初めて、 自分がどこでつまずいていたのか、少し見えた気がしています。
もし同じように、 「何を練習すればいいか分からない」と感じている人がいれば、 一度距離を置いてみるのも、悪くないのかもしれません。
今後は、 自分なりに感じている「音の置き方」や「シンプルなフレーズの意味」を、 少しずつ言語化していければと思っています。
同じように悩んでいる方のヒントになれば幸いです。